アサヒ飲料からカルピスの新商品『カラダカルピス(カラダCALPIS)』が発売されました!
プレミアムカルピスやフルーツ系のバリエーションなど、どちらかというと高カロリーなデザート系飲料の商品展開が目立っていたカルピスですが…
カラダカルピスのコンセプトは…カロリーゼロ&乳酸菌で体脂肪を減らす!?
機能性表示食品として、これまでとは異なるジャンルに参入してきましたね…
カラダカルピスに次いで、ミネラルウォーター版カルピスも発売され、カルピスの攻勢が目立っています!
【おいしい水プラス】カルピスの乳酸菌ミネラルウォーターが美味すぎる…!
『体脂肪を減らす』という食品、いわゆるトクホ(特定保健用食品)や機能性表示食品にはたくさんありますが、果たして乳酸菌で体脂肪を減らすとはどういうことなんでしょう…
今日は『カラダカルピス』のレビューと作用機序、注意点などを解説していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてください!
カラダカルピス(カラダCALPIS)について
基本情報
カラダカルピス | |
エネルギー | 0kcal |
タンパク質 | 1.0g |
脂質 | 0g |
炭水化物 | 4.0g |
原材料 | 脱脂粉乳、乳酸菌飲料 ニゲロオリゴ糖含有シロップ 乳酸菌粉末/酸味料 香料、安定剤(大豆多糖類) 乳化剤、甘味料 (アスパルテーム L-フェニルアラニン化合物 アセスルファムK、スクラロース) |
「カルピス」に独自の乳酸菌「Lactobacillus amylovorus(CP1563株)」を配合した体脂肪を減らす乳性飲料です。
お風呂上りやくつろぎのシーンに適した甘く爽やかな味わいが、カロリーゼロでお楽しみいただけます。
ちょっと体型が気になりはじめた方に。
原材料などについては後述するとして、最大の特徴は『乳酸菌のはたらき体脂肪を減らす』という機能性表示ですね。
このカラダカルピスがどういう飲み物なのか、詳しく掘り下げていきましょう!
カラダカルピスを飲んでみた!
さっそく買ってきて飲んでみました!
普通のカルピスウォーター(PETのやつ)と比べると、やはり全体的に味がすっきりしています。
先味が強く、後に残らない甘味が印象に残りました。舌触りもサラサラしているので、カルピスウォーターだとしつこいって人は好みの味だと思います!(カルピス好き前提)
僕の場合、カルピス濃縮液を2倍希釈で飲む程度には病気なので、少し物足りない…
カルピスジャンキーにはおすすめできませんね…苦笑
あくまでも味に関してですが、アクエリアスとアクエリアスウォーターの関係に近いでしょうか。
清涼飲料水はかなり甘く作られることが多く『もう少しあっさりしたのが飲みたいな…』という需要はあるもんです。
乳酸菌で脂肪を体脂肪を減らすとは?
機能性表示食品について
10分でわかる保健機能食品の基礎【特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品】
『健康に良い』を”科学的根拠”で示すことができれば、メーカーはその効果をパッケージなどで謳うことができます。
これまで健康効果の表示が許可されたのは、国が認可した『特定保険用食品』だけでしたが、トクホは認可に数年スパンの時間がかかることもあり、特に新規性のある場合は、臨床試験など膨大なお金が必要になります。
そこで、2015年から新たに『機能性表示食品』というシステムが開始しました。
科学的根拠があると国が認可する点は同じですが、違うのは表示に関してメーカーが全て責任を持つということです。
論文やヒト試験など、実証データは必須ですが、より簡単なフローで認可が下りるようになり、メーカーから見るとハードルは下がりました。
逆に言えば、これらの表示がない商品は『健康に良い具体的な効果』を謳うのは違法になります。
食品を選ぶときの1つの目安として参考にしてください。
カラダカルピス(乳酸菌CP1563)のメカニズム
さて、カラダカルピスは『機能性表示食品』ですが、その内容は、
本品には独自の乳酸菌CP1563株が含まれ、体脂肪を減らす機能があるので、体脂肪が気になる方および肥満気味の方に適しています。
とのこと。
『乳酸菌が体脂肪を減らす』のメカニズムに関しては、以下の論文がベースとなっています。
【参考論文】Effect of fragmented Lactobacillus amylovorus CP1563 on lipid metabolism in overweight and mildly obese individuals: a randomized controlled trial
論文によると、『乳酸菌が体脂肪を減らす』に関しては、『乳酸菌CP1563を摂取した試験区において、血糖値、総コレステロール、LDL-コレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、拡張期血圧が優位に低下した』という研究結果がベースになっています。
(当たり前ですが)対象としてプラセボ試験区との比較もされているため、研究結果自体の信憑性は高いと考えられますが、現状この一報の報告がベースになっているため、結果が覆される可能性は十分あります。
代謝メカニズムに関しては『脂質代謝に関与する分子PPARα(ペルオキシソーム因子活性化受容体)を活性化し、脂質代謝改善作用を示す』ことが示されています。
例えば、明治乳業の有名なR1乳酸菌は、乳酸菌が出す細胞外多糖が腸管免疫を活性化し、免疫力を向上させます。
このように乳酸菌、または乳酸菌の生産物質が、腸管などで細胞に働きかけ、代謝に影響することはメジャーなメカニズムの1つです。
この点で気になったのが、PPARは主に肝臓などに存在するはずなのですが…
どうやって乳酸菌が作用するのかというと…
中略〜body fatreducing effects were observed in fragmented CP1563-fed mice compared with mice-fed unprocessed bacterial cells…
がキーフレーズとなるでしょうか。
マウスを用いた試験ですが、『そのまま乳酸菌を与えられたマウスより、断片化された乳酸菌CP-1563を与えられたマウスの方が脂肪減少効果が高かった』という結果があります。
『乳酸菌が消化管で分解、断片化されて、受容体PPARが存在する各組織に運ばれて脂質の代謝を促進する』というストーリーが、カラダカルピスの正体というわけですね!
R-1よりも少しメカニズムが複雑でした。
カロリーゼロの正体と注意点
さて、体脂肪減に加えて、カロリーゼロのカラダカルピスですが、原材料を見ると、タンパク質1.0g、炭水化物4.0gの文字が…
矛盾が見られますが、食品は『100mLで摂取エネルギーが5kcal以下』であればカロリーゼロと表示して良いので、完全にゼロというわけではありません(ややこしい)。
また、カロリーゼロのコーラも同じことが言えるのですが、カロリーゼロということは、各栄養素を”消化されない=エネルギーにならない”原材料に置き換えることを示しています。
カラダカルピスの場合、オリゴ糖に加えアセスルファムKなどの甘味料が用いられているため、大量に飲むとお腹がゆるくなる可能性があります。
なお、原材料のニゲロオリゴ糖ははちみつなどに微量存在するオリゴ糖で、虫歯予防などの機能が研究されています。
何事も『飲み過ぎ』は良くありませんよ!
おわりに
脂肪燃焼効果=たくさん食べて良い!と勘違いするアレな人も多いですが…
あくまでも、通常の食生活や運動を維持した上で、補助的に作用するに過ぎません。
(そもそも医薬品じゃなくて食品ですし)
カロリーゼロだからと飲みすぎると、味覚が甘さに慣れすぎてしまったり、逆に油断して食べる量を増やしてしまうことも…
何ごとも限度が重要!しっかりとカラダを作っていきたいですね。
…それにしても
水道からカルピス原液でねーかなぁ…
コメント