昔は「夏休みに子どもが飼う虫」というイメージも強かったクワガタ。
しかし今は、国産の大型血統を育てたり、外国産の色虫を累代飼育したりと、大人が本気で楽しめる趣味になりました。
実際、私もカブクワ飼育を20年以上続けていますが、同じクワガタでも種類によって魅力はまったく違います。
重厚感のある黒いボディ、体長の半分以上を占める大あご、宝石のような光沢……。見比べているだけでも「次はどれを飼おう?」と悩んでしまいますよね…!
そこで今回は、国産・外国産から、見た目がかっこいいおすすめのクワガタ10種を厳選しました。単なる見た目だけでなく、飼育のしやすさや温度管理の必要性も比較しています。「初めて飼うならどれ?」「とにかく大きい種類は?」「珍しいクワガタに挑戦したい!」という方は、ぜひ選ぶときの参考にしてください。
先に結論! 初めてなら国産オオクワガタ、色の美しさならニジイロクワガタ、大きさと迫力ならギラファノコギリクワガタがおすすめです。
※本記事の飼育温度は、一般的なブリード個体を想定した目安です。亜種・産地・血統や成長段階によって適温は変わるため、購入店やブリーダーにも確認してください。
- かっこいいクワガタの選び方
- 1. 国産オオクワガタ|黒く重厚な「王道」のかっこよさ
- 2. 国産ヒラタクワガタ|低く構えた体と荒々しさが魅力
- 3. ニジイロクワガタ|宝石のように輝く色虫の定番
- 4. タランドゥスオオツヤクワガタ|漆黒のボディはまさに黒い宝石
- 5. メタリフェルホソアカクワガタ|体より長い大あごが映える
- 6. ギラファノコギリクワガタ|世界最大級のサイズと迫力
- 7. マンディブラリスフタマタクワガタ|二股の大あごが鋭い
- 8. オウゴンオニクワガタ|湿度で色が変わる黄金の異形
- 9. ヨーロッパミヤマクワガタ|赤褐色の大あごが美しい
- 10. ウエストウッディオオシカクワガタ|悪魔的な湾曲美
- 初心者におすすめのかっこいいクワガタはどれ?
- 飼育前にそろえたい基本用品
- よくある質問
- 外国産クワガタも国産クワガタも絶対に放虫しない
- まとめ|自分の環境で飼える「かっこいい一匹」を選ぼう
かっこいいクワガタの選び方
初心者は「見た目+温度管理」で選ぶ
初めての一匹なら、見た目だけでなく自宅で適温を維持できるかを必ず確認しましょう。
特に外国産や高地性の種類は、日本の真夏を常温で乗り切れない場合があります。エアコンを24時間使えるのか、簡易冷温庫やワインセラーを用意するのか。生体を迎える前に決めておくと安心です。
大あごの形で選ぶ
クワガタの印象を決めるのは、やはり大あごです。
- 太く重厚:オオクワガタ、ヒラタクワガタ、タランドゥスなど
- 長くシャープ:ギラファ、メタリフェル、マンディブラリスなど
- 複雑に湾曲:ヨーロッパミヤマ、ウエストウッディなど
同じ種類でも、幼虫期の栄養や温度、羽化サイズによって大あごの発達具合が変わります。大型個体を育てる楽しさまで含めるなら、ギラファや国産オオクワガタは特に奥が深いですよ…!
繁殖まで楽しむかで選ぶ
成虫観賞だけなら選択肢は広がりますが、繁殖まで狙う場合は産卵床にも注目です。
発酵マットに産卵しやすい種類は比較的セットを組みやすい一方、カワラ菌床や特殊な産卵材を好む種類は用品代と経験が必要になります。
まず最初は(国産)オオクワガタ。老若男女問わず入門種としておススメです。
かつては1匹10万円を下らなかった時代も今は昔…。今では飼育下で繁殖された個体ならホームセンターで1,000円前後で手に入るようになりました。
80mmを超える大型の個体や、大型になるように育成された有名な血統でも数千円で手に入るので、大きな個体の育成にチャレンジするのもOK。
野生の個体は残念ながら悪質な採集が増えたこともあり、かなり減少してしまいました。
しかし、育成・繁殖がとにかく簡単で、菌糸ビンを使用した大型個体の作出方法も確立されており、繁殖個体は多くが市場に出回っています。
夏場の直射日光は厳禁ですが、常温飼育も可能。
1. 国産オオクワガタ|黒く重厚な「王道」のかっこよさ

かっこいい国産クワガタの代表といえば、やはりオオクワガタ。幅のある黒い体と、内側へ力強く伸びる大あごは、派手すぎないのに存在感があります。
私が特に好きなのは、大型個体を上から見たときの「塊」のような重厚感。黒一色だからこそ、ごまかしのない完成されたフォルムなんですよね…。
飼育方法が広く確立され、成虫は比較的長生き。国産種なので季節の変化にも対応しやすく、直射日光と30℃を超える高温、極端な乾燥を避ければ、初めての人でも管理しやすい種類です。
繁殖では産卵木、幼虫飼育では菌糸ビンが定番。大型血統や産地物など、どこまで深く追うかを自分で選べるのも魅力です。
おすすめする人: 初めてクワガタを飼う人/大型個体の作出に挑戦したい人/長く飼育を楽しみたい人
2. 国産ヒラタクワガタ|低く構えた体と荒々しさが魅力

オオクワガタが「静の王者」なら、ヒラタクワガタは「動の戦士」といった印象。平たく幅広い体に太い大あごが付き、低く構えた姿には野性味があります。
外国産のパラワンオオヒラタやスマトラオオヒラタほど巨大ではありませんが、国産ヒラタのまとまりのよいフォルムは本当に秀逸。身近な国産種でありながら、産地差や亜種の違いを楽しめるのもポイントです。
成虫・幼虫とも比較的飼いやすい一方、オスは気性が荒い個体がいます。事故を防ぐため、基本は1ケース1匹。ペアリング時も放置せず、相性を見ながら慎重に行いましょう。
おすすめする人: ゴツい国産種が好きな人/採集と飼育の両方を楽しみたい人/オオヒラタへ進む前に経験を積みたい人
3. ニジイロクワガタ|宝石のように輝く色虫の定番

初めて実物を見た人が「本当にクワガタ!?」と驚くのがニジイロクワガタです。緑、赤、金色が角度によって変化し、自然光の下では宝石のように輝きます。
見た目は高級種そのものですが、国内で累代飼育された個体が安定して流通しており、外国産クワガタの入門種としても有名です。
産卵は発酵マットでも狙いやすく、幼虫は発酵マットまたは菌糸ビンで飼育できます。冷暖房の効いた室内で20~25℃前後を意識すると管理しやすいでしょう。
ノーマルカラー以外に紫紺、赤系、青系などの系統が流通することもあり、「次は違う色を育てたい」と増えていく危険な魅力もあります…!
おすすめする人: 美しい色を楽しみたい人/親子で観察したい人/外国産クワガタを初めて飼う人
4. タランドゥスオオツヤクワガタ|漆黒のボディはまさに黒い宝石

「黒いダイヤ」という言葉が似合うのは、個人的にはタランドゥス。濡れたような強い光沢と、前方へ張り出す太い大あごは、写真より実物のほうが迫力があります。
アフリカを代表する大型クワガタで、体格のよいオスはずっしり。刺激を受けると体を震わせるような振動行動を見せることがあるのも、本種らしい面白さです。
成虫管理は難しすぎませんが、繁殖ではカワラ菌床ボトルやレイシ材・カワラ材などがよく使われます。オオクワガタの産卵セットをそのまま流用する感覚では結果が出にくいこともあるため、繁殖は中級者向けです。
おすすめする人: 漆黒・光沢系が好きな人/大型の外国産種を飼いたい人/カワラ菌床を使った繁殖に挑戦したい人
5. メタリフェルホソアカクワガタ|体より長い大あごが映える

いやぁ……長い!
メタリフェルホソアカクワガタの魅力は、細い体から大きく伸びる大あごと金属質の色合いです。大型のオスでは、全長の半分以上が大あごに見えるほど。横から眺めても上から眺めても、とにかく写真映えします。
流通の多い亜種では発酵マットを使った産卵・幼虫飼育が可能で、外国産としては繁殖に挑戦しやすい部類です。ただし大型個体を狙うなら、温度をやや低めに安定させ、幼虫のエサや交換時期まで詰める必要があります。
細長い大あごは折損にも注意。成虫ケースへ重い転倒防止材を雑に入れず、挟まりにくいレイアウトを心がけましょう。
おすすめする人: 長い大あごにロマンを感じる人/色虫も大あごも両方ほしい人/マット飼育から始めたい人
6. ギラファノコギリクワガタ|世界最大級のサイズと迫力

「大きくてかっこいいクワガタ」を探すなら、ギラファノコギリクワガタは外せません。最大亜種では全長120mm前後に達する記録もあり、世界最長級のクワガタとして知られています。
長い大あごの内側に並ぶギザギザ、光沢のある上翅、そして圧倒的な横幅……。大型オスをケースから出した瞬間は、何度見ても声が出ます。
発酵マットへ産卵させやすく、幼虫もマットで育てられるため、繁殖そのものは極端に難しくありません。ただし「100mmを超える立派なオスを作る」となると話は別。亜種・血統、幼虫期の温度、エサの質や量が結果を左右します。
おすすめする人: とにかく巨大なクワガタがほしい人/親子で迫力を楽しみたい人/大型作出に挑戦したい人
7. マンディブラリスフタマタクワガタ|二股の大あごが鋭い

マンディブラリスフタマタクワガタは、ギラファと並んで「長さ」で強烈な印象を残す大型種です。
赤褐色を帯びた体、細長く伸びる大あご、先端で鋭く分かれる二股。いかにも戦闘的なデザインで、ムシキング世代なら刺さる人も多いのではないでしょうか…?
成虫は気性が荒く、オスとメスの同居には注意が必要です。産卵では材の状態が結果を左右しやすく、メスが気に入る硬さや水分の産卵木を用意できるかがポイントになります。
流通は比較的ありますが、購入時は産地・亜種と羽化日を確認しましょう。大あごの迫力だけで選ばず、温度管理と繁殖用品まで準備して迎えたい種類です。
おすすめする人: シャープで攻撃的な形が好きな人/フタマタクワガタに挑戦したい人/飼育経験が少しある人
8. オウゴンオニクワガタ|湿度で色が変わる黄金の異形

もはやクワガタなのか、古代の黄金装飾なのか……もちろん褒め言葉です!
オウゴンオニクワガタの体表は、乾いていると金色~黄褐色に見え、湿度が高いと暗く変化します。この色の変化を観察するだけでも面白く、黒い種類が並ぶ飼育棚では特に目立ちます。
「オウゴンオニ」の名で流通する仲間には複数の種類・産地があるため、購入時は学名や産地を確認してください。繁殖にはカワラ菌床やカワラ材がよく使われ、温度と成熟の見極めも重要。見た目に一目惚れしても、繁殖まで考えるなら中級者以上向けです。
おすすめする人: 唯一無二の色を楽しみたい人/変化する体色を観察したい人/カワラ種の経験を積みたい人
9. ヨーロッパミヤマクワガタ|赤褐色の大あごが美しい

日本のミヤマクワガタをさらに重厚にしたような姿を持つヨーロッパミヤマクワガタ。赤褐色の大あごと上翅、張り出した頭部には、ほかの種類とは違う古武士のようなかっこよさがあります。
原名亜種のケルブスのほか、ユダイクスなど近縁の亜種名で流通することもあります。大型になる亜種は迫力がありますが、産地や亜種によって特徴と管理条件が異なるため、名前を混同しないことが大切です。
高温に弱く、夏場も20℃前後を中心に安定させたい種類。羽化後の休眠期間や活動開始の見極めも必要で、エアコンやワインセラーなどの低温環境がない人にはおすすめしにくいです。
おすすめする人: ミヤマ型のフォルムが好きな人/低温設備を用意できる人/じっくり羽化を待てる人
10. ウエストウッディオオシカクワガタ|悪魔的な湾曲美

最後は、ウエストウッディオオシカクワガタ。強く上方へ湾曲し、先端が分かれた大あごと漆黒の体は、まさに悪魔的なフォルムです。
今回紹介した中でも特に流通量が限られ、価格が高くなりやすい難関種。低温管理、成熟したペアの確保、産卵材の選定、採卵後の管理まで、どこか一つずれるだけで結果が変わります。
なお、旧原稿にあった「タランドゥスやオウゴンオニと同じ方法で産卵できる」という表現は正確ではありません。本種は柔らかく調整した産卵木など、ウエストウッディに合わせたセットが基本です。
誰にでも気軽にすすめられる種類ではありません。しかし、経験と設備を積み上げたブリーダーにとって、いつか挑戦したい憧れの一種であることは間違いないでしょう。
おすすめする人: 難関種へ挑戦したい上級者/低温設備がある人/費用と失敗リスクを受け入れられる人
初心者におすすめのかっこいいクワガタはどれ?
迷ったら、次の3種から選ぶと失敗しにくいです。
- 国産オオクワガタ:丈夫で飼育情報が多く、用品もそろえやすい
- ニジイロクワガタ:美しく、外国産の中では繁殖にも挑戦しやすい
- ギラファノコギリクワガタ:大きさと迫力があり、発酵マットで繁殖を狙える
最初からレア種を選ぶより、まず飼いやすい種類で「温度・水分・エサ交換・ペアリング」の基本を覚えるほうが、結果的に長く楽しめます。
飼育前にそろえたい基本用品
種類によって細部は変わりますが、成虫を迎える前に最低限そろえたいのは次の用品です。
- コバエ対策された飼育ケース
- 成虫管理用マット
- 昆虫ゼリー
- 転倒防止材
- 温度計(できれば最高・最低温度を記録できるもの)
- 霧吹き
外国産や低温種では、これにエアコン、ワインセラー、冷温庫などが加わります。用品を個別に買うより、必要物をまとめた「クワガタ成虫飼育セット」は初めての人にも紹介しやすいでしょう。
よくある質問
日本で一番かっこいいクワガタは?
好みによりますが、王道の重厚感なら国産オオクワガタ、荒々しい迫力なら国産ヒラタクワガタが人気です。採集できる身近さまで含めるなら、ノコギリクワガタやミヤマクワガタも有力候補です。
世界で一番大きいクワガタは?
「体長」を基準にすると、最大亜種が120mm前後に達するギラファノコギリクワガタが世界最長級として知られています。ただし、記録は野外品・飼育品、亜種、計測方法によって変わります。
外国産クワガタは初心者でも飼える?
ニジイロクワガタやギラファノコギリクワガタなど、繁殖方法が確立されている種類なら初心者でも挑戦できます。ただし、日本の夏冬を常温で管理できるとは限りません。購入前に適温と必要設備を確認してください。
オスとメスは一緒のケースで飼ってもいい?
原則として別々のケースが安全です。オスがメスを傷つける、エサ場を独占する、交尾でメスを消耗させるといったリスクがあります。同居はペアリングに必要な短期間だけ、観察しながら行いましょう。
外国産クワガタも国産クワガタも絶対に放虫しない
最後に、飼育者として絶対に守りたいことがあります。
飼えなくなった個体を、野外へ逃がしたり捨てたりしないでください。
外国産クワガタはもちろん、国産種でも本来の分布地と異なる地域・産地へ放せば、競合や遺伝的攪乱につながるおそれがあります。環境省も、外国産カブトムシ・クワガタムシを「逃がさない・捨てない」よう注意喚起しています。
脱走を防げるケースで最後まで飼育し、増えすぎた場合は購入店や引き取り可能な専門店へ相談しましょう。
まとめ|自分の環境で飼える「かっこいい一匹」を選ぼう
今回紹介した10種は、同じクワガタとは思えないほど個性的です。
- 初心者向けの王道なら国産オオクワガタ
- 宝石のような美しさならニジイロクワガタ
- サイズと迫力ならギラファノコギリクワガタ
- 究極の憧れならウエストウッディオオシカクワガタ
見た目に惚れて選ぶのは大賛成。ただし、その種類に必要な温度と設備を用意できることが大前提です。
あなたは重厚な黒、まばゆい色虫、それとも長大な大あごのどれが好みでしょうか? 自分の飼育環境に合う一匹を迎えて、じっくり観察とブリードを楽しんでくださいね!


