オオクワガタを飼ってみたい。でも、生体を買ったあとにいくらかかるのか、意外とわかりにくくないですか?
私が以前大阪の即売会イベント「インセクトディスカバリー」で購入したオス・メスの1ペアは約7,000円。成虫はそれぞれのケースで飼い、5月にペアリングしました。その後ちょうど20匹の幼虫を回収できた後に菌糸で育て、翌年4~5月に羽化を迎えました。
この1年間に使った金額は、成虫1ペアの購入・飼育で12,250円、幼虫20匹の羽化まで含めると合計63,296円。
今回は、私の飼育スケジュールに沿って、成虫の維持費と繁殖費を分けて紹介します。
この記事では、私が1ペアを購入してから、20匹の幼虫が羽化するまでに実際に使った用品と支払った費用をまとめますので、飼育の目安にしたいかたは是非参考にしてください。
私の飼育条件|1ペアから幼虫20匹を育てた1年間

今回の集計期間は、ペアリングした6月から翌年5月の羽化までです。
生体と初期用品の購入費も、この1回の飼育に含めます。
| 項目 | 私の飼育内容 |
|---|---|
| 親成虫 | オオクワガタ1ペア、購入費7,000円 |
| 成虫の容器 | クリアスライダー中を2個使い、オス・メスを個別飼育(ペアリング時を除く) |
| 成虫のエサ | プロゼリーを各個体に週1~2個ずつ交換 |
| 成虫の床材 | ハスクチップ |
| 成虫の冬季管理 | エアコン管理の部屋で冬眠なし(20‐25℃) |
| 6月 | ペアリング後、カワラ材1本と産卵一番で産卵セットを組む |
| 7月 | 20匹の幼虫を、KBファームのAG菌糸を入れたプリンカップへ投入 |
| 8月 | 全20匹を約1,400ccのAG菌糸ビンへ移す |
| 12月 | 全20匹の菌糸ビンを交換 |
| 翌年5月 | 羽化 |
成虫と幼虫では、必要なものがかなり違います。
成虫はケース・床材・ゼリーが中心。幼虫は1匹ずつ容器を用意し、成長に合わせてエサとなる菌糸を交換しました。
なお、私が成虫を冬眠させなかったことと、どの家でも常温で一年中活動できることは別です。
室温が下がれば活動も鈍くなるので、冬の管理は実際の温度と個体の様子で判断してください。
オオクワガタ1ペア・1年間の費用一覧
まずは全体像から。飼育開始時に、容器や備品も新しくそろえました。
| 用途・用品 | 購入内容 | 支払った金額 |
|---|---|---|
| オオクワガタ成虫 | 1ペア | 7,000円 |
| 成虫用ケース | クリアスライダー中・800円×2個 | 1,600円 |
| プロゼリー | 16g・50個入り550円×3袋 | 1,650円 |
| ハスクチップ | 1年間に購入した分 | 1,000円 |
| 共通の備品 | エサ皿、足場、霧吹きなど | 1,000円 |
| 成虫飼育の小計 | 生体・初期用品を含む | 12,250円 |
| 産卵用ケース | 1個 | 1,000円 |
| カワラ材 | 2本組を購入し、うち1本を使用 | 1,320円 |
| 産卵一番 | 5L・1袋 | 726円 |
| AG菌糸入りプリンカップ | 200円×20個 | 4,000円 |
| AGクリア1400 | 1,100円×20本×2回 | 44,000円 |
| 繁殖・幼虫飼育の追加分 | 51,046円 | |
| 初年度の合計 | 成虫1ペア+幼虫20匹 | 63,296円 |
ゼリー・カワラ材・産卵マットは、使った分だけではなく、袋やセットを買うときに払う金額を入れました。残ったゼリーや材も含むため、消費した分の原価とは異なります。
AGクリア1400は完成品を購入。
自分で菌糸ブロックを詰めれば用品代は下げられますが、忙しさから作業時間と失敗のリスクを減らすため、すぐ使える完成品を選びました。ブロックを購入し自詰めすれば菌糸の購入額は半額以下にはできるはずです。
成虫の維持費|ゼリーと床材なら年間数千円でOK

生体代は1ペア7,000円。翌年も同じ費用がかかるわけではない
私が親虫を購入した金額は7,000円です。ただし、これは今回選んだ1ペアの価格。オオクワガタ全体の相場という意味ではありません。
生体代やケース代は、飼育を始めるときにまとまってかかる費用です。翌年も同じ成虫と用品を継続して飼うなら、これらを毎年買い直す必要はありません。
生体・ケース・共通備品を除くと、ゼリーとハスクチップに使った金額は年間2,650円。
月平均なら約221円でした。成虫を観察して楽しむだけなら、維持費はかなり安く収まります。
ケースは2個。オスとメスを分けて管理する
私はクリアスライダー中を2個使いました。ペアで購入しても、普段はオスとメスを別々に管理しています。
1個のケースにまとめれば容器代は下がりますが、同居による傷つけ合いを避けるため、私は最初から2個購入しました。
ケースは洗って再利用できるので、初年度の費用として考えるとわかりやすいですね。購入時は商品名だけでなく、外寸と内寸も確認してください。
プロゼリーは年104個。50個入りなら3袋分
私の交換ペースは、オス・メスそれぞれ週1個です。1年を52週として計算すると、
2匹×週1個×52週=年間104個。
私が購入したのは、プロゼリー16g・50個入りを3袋です。1袋550円で、支払った金額は1,650円。年間104個を使い、残った46個は翌年分に回しました。
この「使う金額」と「買う金額」の違いは、小頭数で飼うほど気になります。
大袋の単価だけを見るより、自分の飼育数で使い切れる量を選ぶ方が買いやすいです。
私は毎週ケースを確認し、オスとメスに新しいゼリーを1個ずつ入れました。購入した150個のうち104個を使い、残り46個は翌年分に回しています。
床材はハスクチップ。年間使用量で費用が変わる
成虫の床材にはハスクチップを使いました。産卵用のマットとは用途を分けています。
ハスクチップには1年間で1,000円使いました。ケース内の汚れや湿り方を見ながら交換し、この金額でオス・メス2ケースを管理できました。
霧吹き、エサ皿、転倒防止の足場などの一般的な備品は、まとめて約1,000円で購入しました。どれも翌年以降に再利用できます。
6月の産卵セット|カワラ材1本と産卵一番を使用
私は6月にペアリングし、カワラ材1本と産卵一番を使って産卵させました。
普通のホダ木なら500円程度で買えますが、確実に産卵させたいならカワラ材がおすすめ!加水の調整なども不要で、初心者でも失敗を避けやすいです。
産卵用ケースは約1,000円、カワラ材2本組は1,320円、産卵一番5Lは726円でした。
産卵セットのために支払った金額は合計3,046円です。
カワラ材は2本組を購入して1本だけ使い、残りの1本は次回用に保管しました。産卵一番も5Lを1袋購入し、産卵セットに必要な量だけ使っています。
カワラ材を使ったのは私の選択で、オオクワガタの繁殖に必ず必要な高価な材、という位置づけではありません。今回の費用記事では、私が使った組み合わせをそのまま計算しています。
産卵セットを組むときは、材やマットの値段に目が向きますよね。ただ、今回のように20匹を育てるなら、その後の幼虫飼育費まで先に考えておく必要があります。
産卵セットの解説はこちらの記事も参考に!

幼虫20匹の飼育費|菌糸ビン40本が支出の中心

7月はAG菌糸のプリンカップでスタート
7月に、20匹の幼虫をKBファームのAG菌糸を入れたプリンカップへ投入しました。
AG菌糸入りのプリンカップは1個200円で購入しました。20匹分で合計4,000円です。
自分で詰める場合も、菌糸ブロック代に加えてカップ代や余った菌糸を考える必要があります。購入したブロックの全量を無駄なく使えるとは限らないので、容量だけで割った金額をそのまま実支出にはできません。
8月と12月に20本ずつ。1匹当たり2本を使う
8月には全20匹を約1,400ccのAG菌糸ビンへ移し、12月に交換しました。
つまり必要な大型ボトルは、20本+20本=合計40本です。
使用中の20本が入れ替わる計算で、同時に40本で飼うわけではありません。
完成品のAGクリア1400を単品価格1,100円でそろえると、
1,100円×40本=44,000円。
この44,000円が、1年間で最も大きな出費でした。初期のプリンカップ分も足すと、幼虫用の菌糸・容器代だけで48,000円です。
私は今回、小さめのボトルを使う個体と大きめのボトルを使う個体に分けず、全頭を約1,400ccで管理しました。同じ容量でそろえると費用の見通しは立ちますが、すべての幼虫にこの容量が必須というわけではありません。
12月の交換後は、翌年5月に羽化
今回の飼育では、12月に交換したあと、翌年5月に羽化を迎えました。
幼虫期間は約10~11か月。巨大個体を狙うには低温でもう少し丁寧な飼育が必要ですが、一般的な累代飼育としてはオーソドックスな飼育方法かと思います。
これは私の飼育経過です。幼虫の成長や菌糸の状態によって追加交換が必要になれば、その分の費用が増えます。「この日程なら必ず2本で羽化する」という固定スケジュールにはしないでください。
また、羽化後に新成虫を個別ケースへ移して飼い続ける費用は、今回の集計範囲外です。繁殖を続けるなら、次世代の容器とゼリー代も準備しておきましょう。
飼育費を抑えるなら、菌糸の買い方と飼育頭数を見直す
1年間の支出を振り返ると、節約効果が大きいところもはっきりしました。
私の飼い方では、幼虫1匹分の菌糸・容器代は、プリンカップ200円とボトル2本2,200円で2,400円でした。20匹で48,000円です。成虫代と産卵セット代を除けば、10匹に抑えた場合は24,000円で済みます。
繁殖を始める前に「何匹まで育てられるか」を決めることが、支出にも置き場所にも効きます。産卵数を完全に指定することはできないので、予定を超えたときの受け入れ先も考えておきたいところです。
菌糸の買い方にも差が出ます。AGクリア1400は12本ケースで12,540円の掲載があり、20本を買うなら「12本ケース+単品8本」で21,340円。これを2回買えば42,680円で、全40本を単品購入する計算より1,320円下がります。
私は菌糸の鮮度を優先し、8月分と12月分を一度に買い置きせず、交換時期ごとに必要な量を購入しました。
ブロックから自分で詰めれば安くできますが、容器、作業道具、詰め替え作業、発菌を待つ時間が必要です。初年度の私は、手間よりも確実さを優先して完成品ボトルを購入しました。
まとめ|成虫1ペアの維持費と、繁殖後の菌糸代は分けて考えよう
私の飼育は、7,000円で購入したオオクワガタ1ペアから始まりました。成虫は個別飼育し、週1個ずつプロゼリーを交換。6月に産卵セットを組み、20匹の幼虫をAG菌糸で育て、翌年5月に羽化を迎えました。
1年間に使った金額は、成虫飼育が12,250円、繁殖・幼虫飼育が51,046円。合計は63,296円でした。
成虫だけを継続して飼うなら、ゼリーと床材に使った金額は年間2,650円。繁殖まで楽しむと、20匹分の菌糸代が大きく加わります。
私の飼育内容から費用を考えるなら、「親虫はいくらか」だけでなく、「幼虫何匹に、菌糸ビンを何本使うか」まで数えることが重要です。
成虫の姿を楽しむ飼育も、幼虫から羽化させる飼育も、それぞれ面白いものです。
まずは自分が育て切れる頭数で、購入費から羽化後の置き場所まで見通して始めてみてください。

