大学・大学院

院試のリアル!大学院の難易度や外部受験、勉強法を修士卒が超主観で語ってみる

投稿日:2017年7月6日 更新日:

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僕は某国立大の修士を出てから、食品メーカーの開発職として働いています。
高校から研究職志望だったので、最初から修士に進む気だったのですが、経験として学部でもインターンに参加したり、他の大学院の見学に行ったり、留学してみたり…自分の将来を模索していました。

『大学院に進む』ということは、もう1度受験をするということですし、自分のキャリアにも大きく関わります。
いろんな情報をみて、先輩に聞いて…迷いながら大学生活を送りましたね。

そこで、この記事では、大学院進学を考えている学生のために、院試の難易度や、学歴ロンダリング英語( TOEIC、 TOEFL)の重要性、そして大学院に進学する前に考えておくべきことをまとめました。

必要な部分ではデータを引用しつつ、修士卒としてきれいごと抜きの超主観で解説していますので、大学院試験のリアルを知りたい人は是非参考にしてください。

はじめに:大学院に進学する理由

※この記事は生物系の修士を出た筆者の体験、および上位国立大の院生、OBに伺った話をベースに、化学機械情報など各学問分野の情報を補足しながら書いています。

研究職と院卒

就活を振り返ると、機械、電気電子系などでは学部卒でも技術系を多く採用していました。
しかし、僕が志望していた食品化成品メーカーは、募集枠が少ないこともあり、研究職の新卒採用はほぼ上位国立の院卒で埋まっていました。

アカデミックポストを狙う、あるいは公的機関や理化学研究所などの研究機関で働きたい場合は、修士だけではなく博士課程進学も視野に入れなければいけません。
修士卒が自分の進路にプラスになるか、あるいは必須となるかが大学院進学の1つのカギです。

 

就活失敗などのネガティブな進学

文系の学生、理系でもMARCH以下のレベルでは『就職に失敗したから修士に進学する』パターンも少なくありません。

特に、理系学生の場合は修士卒が不自然ではないため、修士に進んだことをネガティブに捉えられません。むりやりダブって就職浪人しなくても、修士でリスクなくリベンジできるのです。
そのため『学部で就活できなくても修士に進めばいいや』という考えになりやすいのです。

この状態で修士に進むとどうなるか…はその人次第!
ガチのダメ人間も多いですが、要領よく修士課程で研究、就活ともに良い成果を残してリベンジする人もいます。

学歴博士課程学歴ロンダリング修士卒ならではの苦悩など、大学院進学と研究職就職のリアルに関しては以下の記事で詳しく解説しています!

これが理系大学院生のリアルな就活だ!就職できない専攻の闇と博士の闇を暴露してみる

みるおか
いずれにしても、大学院への進学は人生のターニングポイント!後悔しない進路を選択しましょう。

 

院試の難易度と外部受験

ここでは、院試の受験科目やシステムのきほんを説明します。
勉強法については後の章で詳しく解説していきます。

院試のスケジュール

主に大学院の試験は7月後半〜8月後半に実施されます。
1ヶ月半前に願書の提出があり、少なくともそれまでには研究室見学を済ませておきましょう。

大学によっては外部生でも推薦入試を受けられます。
一般入試の約1ヶ月前であることが多いですね。
学校の成績が高く、志望大学が決まっている人はチャレンジしましょう。

主要国立大学は、次の章にある通り、受験日が被っていることも多いため、複数の院試を受けるときはスケジューリングに注意しましょう。
あまり考えたくないですが、落ちたときのために、冬入試(後期入試)の有無も要チェック!

 

上位国立の受験科目

上位国立の院試では、内部生も外部受験生も、同じように複数科目の専門試験、英語、そして面接を受けます。
場所によっては、大学の成績に応じて修士への推薦入学試験も受けられますが、大学ごと、もっと言えば専攻ごとにシステムが違うので、志望大学ごとに院試要項をチェックしましょう。

下記に、主要国立大学における博士前期課程の試験科目などをまとめておきます。
口述試験、面接は省略しています。

大学・専攻 専門科目 英語 筆記受験日
H30年度
推薦
東大 農生 応生 【一般】2科目選択
【専門】は3科目選択
計5科目
TOFEL
ITP受験
8/16-17 なし
東大 情報理工 【一般】数学
【専門】希望専攻1科目
計2科目
TOEFL
ITP受験または
スコア提出
8/21〜
専攻による
なし
京大 農学 【専門】2科目選択 独自 8/22-24 なし
北大 水産海洋 【専門】複数科目の出題から4題を選択回答 TOEIC,TOEFL
スコア提出
8/22 なし
阪大 情報科学 【専門】必修1科目+選択2科目
計3科目
TOEIC,TOEFL
スコア提出
7/29-30 あり
阪大 工 応化 【専門】必修1科目
【選択】1科目
計2科目
TOEIC,TOEFL
またはIELTS
スコア提出
&独自試験
8/22-24 あり
阪府大 工 電数 【一般】数学
【専門】1科目
計2科目
TOEIC,TOEFL
またはIELTS
スコア提出
8/22-23 在学生
のみ

※このテーブルは筆者の観測範囲内で調査したごく一部です。システムは毎年変わる可能性があるため、志望大学のシステムはご自身でも調べてください(情報についての責任は負いかねます)。
阪大の情報系は情報科学研究科と工学研究科に分かれており、それぞれ院試の受験日等が変わるのでご注意ください。

東京大学農学生命研究科は科目数が特に多く、修士でもさすが最高学府と言いましょうか…特に専門科目5科目というのは外部生にとってはハードです。(僕は過去問と科目を見て東大院農の受験をやめました)
英語に関してはTOEICまたはTOEFLのスコアを活用している大学が多いですが、独自試験もあり、志望校によって英語の対策法が分かれます。
配点も高いことが多く、英語のスコアが院試の合否を分けると行っても過言ではありませんね!

修士で推薦入試を導入している大学は少ないですが、大阪大学は外部生でも小論文と面接での推薦入試を受けられる専攻があります。
ただし、大学での成績(GPA)が重要なので注意しましょう。
ちなみに、阪大生に話を伺ったところ、外部からの推薦(修士)は『成績上位5%またはGPA3.5』がだいたいの基準とのことです。
(個人的には、研究職希望ならGPA3以下は論外…)

ほとんど外部生で構成される東大の新領域創成科学研究科1や、各種大学院大学など、門戸を広げるため、専門試験が1科目(もしくは無し)のような院試もあります。

 

英語試験は3パターン

院試での英語は、TOEICまたはTOEFLスコア提出を義務付けられているか、独自試験を解くタイプの3パターンがほとんどです。
東大大学院を受験する場合はTOEFL必須ですが、それ以外であれば、TOEICでハイスコアを取っておけば、多くの大学に対応できます。
特に、外部受験生にとっては専門試験のハードルが高い(後述)ためTOEICで得点を伸ばしておくことが合格のカギです。

僕も大学院ではTOEICのスコアを提出しましたが、学部生時代はTOEICスコア865だったため、英語は満点扱いとなりました。

院試の専門科目は一般的に5〜6割が合格ゾーンですが、英語で稼げていたので専門は気持ちに余裕を持って受けられました。

 

『研究室』や『専攻』を変える院試もアリ!

今の大学や研究室に不満がある場合、他大学、特に上位国立を受け、いわゆる学歴ロンダリングを狙う人もいます。
東大や京大に学部で入学するのは大変ですが、院試に関しては『しっかり勉強すれば誰でも受かる』試験です。

とはいえ、他大受験となるとハードルは上がりますし、環境が変わることでメンタルへの負担も大きくなります。
修士に進学するタイミングで、研究室を変更したり、同大学の別の専攻に移るのも1つの手です。

僕はバイオ専攻でしたが、友人は修士で同大学の化学系に専攻をチェンジしていました。その後の就活では引く手数多のようで…

 

研究室見学で調べておくべきこと

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志望研究室の見学は必須です。
少しでも希望する研究室はすべて回りましょう。
願書の提出が6〜7月開始として、5月に研究室見学を計画するのがメジャーです。
前もって教授にメールを送り、アポを取っておくことを忘れずに。
大学によってはオープンキャンパスのように、外部受験生や、内部の学部生に研究室を公開するところもあります。

研究室見学の主なチェック項目は以下!

  1. 研究設備
    最新設備が揃っていると、十分に研究費を取れており、研究が効率的にできる環境にあると考えられます。ボロい機器しかない所はちょっと怪しいぞ!
  2. 学生の生活習慣
    できる限り研究室のメンバーと話す機会を取りましょう。泊まりがけが当たり前のような研究室も多いです。ブラック研究室でメンヘラ一直線かも!?
  3. 外部生、留学生の数
    他大の院試を受ける人は要チェック!外部生を受け入れる雰囲気があるかどうかの指標になります。他大生にとっては『外部生の先輩』がいると入学後も心強いですね!
  4. 大学の立地など
    2年間、博士課程に行くなら5年間を過ごす場所です。その環境で自分が研究に打ち込めるか判断しましょう。
  5. おまけ:他の研究室の話
    いくつか研究室を回って学生と話がはずむと、外から見た客観的な意見が出てくることがあります。『あの教授ヤバいよ』なんて先輩から脅されることも…?

こんなところでしょう。

研究室見学とは関係ありませんが、研究室のHPなどから、博士課程への進学率就職実績などを見ると、その研究室の『色』が大体わかります。
定期的に同じ企業に入っているなら教授推薦がありそう、博士課程進学率がやたら高いところは就活への理解が低そう…などなど…

 

院試に向けた勉強のコツ

専門科目で外部生が苦戦する理由

専門科目は圧倒的に内部生が有利です。試験問題は教授が作成するため、その科目を履修している学生はすでに授業や期末テストで似た問題を経験していることが多いのです。
同じ問題は出ないにしろ、すでに学習済みであることに加え、内部生は重要事項や問題の傾向など『勉強すべきこと』がわかっています。面接で優遇されることも…。
類似専攻で勉強したとはいえ、その科目を最初から勉強する外部生とはスタートラインが違います。

他大の院試を受けるなら、自分よりレベルが高い大学の学生が基準となることもあり、内部生以上の勉強量が求められます。

 

専門科目の対策と勉強時間:カギは『過去問』と『科目選択』

効率的に勉強するためには、とにかく最初に『過去問』をゲットしましょう!
たいてい大学のHPからダウンロードできますが、できない場合は研究室見学のときに聞いてみましょう。
普通はコピーさせてくれますし、門前払いされるなら歓迎されてない証拠…その研究室への志望自体を考え直すべきでしょう。

院試過去問で傾向を抑えつつ、『過去問の傾向に最も沿った参考書』を購入しましょう。
分厚い『◯◯学』という専門書だと思います。ベストはその大学の授業と同じテキストです。そう考えれば、研究室見学の時に生協で購入するのもアリですね。

また、多くの大学では複数科目から受験科目を選択できます。
農学系から化学系に移りたい場合は、生化学中心に科目を選択するなど、自分の得意な科目を選ぶことが重要です。
なるべくゼロから勉強する必要がない科目を選びましょう。

受験日までに、過去問と同じレベルの問題を70%以上理解できることが目標となります(理想は100%ですが)。理解とは文章で説明、解説できるレベルです。
過去問を解きながら、専門書で周辺知識を暗記していくのが院試合格への最短ルートです。
僕の観測範囲では、3ヶ月前から勉強を始める学生が多かったですね。
受験科目や受験校数に応じて調整しましょう。

みるおか
筆者の院試経験では、勉強時間は3ヶ月×1日7時間程度。 大学入試よりもシンプルで傾向がつかみやすいので、コツコツやれば成果が出る試験です!

 

推薦入学には必須!小論文や面接、口頭試問のポイント

何も喋れない、バカすぎるなど、どうしようもない人を除いて面接が原因では落ちませんが、推薦入試口頭試問では、一般入試の面接と比べて評価がシビアになります。

『大学院でやりたいこと』『研究テーマの説明』などは、端的に答えられればOKです。
ここから掘り下げた質問に対応するために、以下をおすすめします。

  1. 専門に関する科学系ニューストピックのまとめ
    僕の院試面接ではバイオ燃料について聞かれました。
  2. 研究テーマの『目的』『展望』『何に貢献できるか』をまとめておく。
    ”その研究になんの意味があるのか”を答えられない学生はめちゃくちゃ多いです。
  3. 自分の専攻のメジャーな科目、専門用語を説明できるようにしておく
    (僕は面接で糖代謝の流れを説明させられました)

院試の口頭試問は、おもにこの2パターンに分かれます。
残りは雑談…というか志望理由などの一般的な質問なので、端的に答えましょう。
また、科学系のニューストピックは小論文のテーマになりやすいです。
普段から自分の専攻に関するニュースには疑問と意見を持っておくことが大切です。

みるおか
就活と違い、基本的に院試の面接、口述は『落とす試験』ではありません。 リラックスして本番に臨むのが1番ですよ!

 

英語、TOEICの対策

【院試英語対策】最速で大学院合格レベルになるTOEIC&TOEFL勉強法

TOEIC、TOEFLから独自試験まで、院試の英語対策についてはこちらの記事でまとめています。
勉強法や最適なテキストなど、無駄を一切省いた勉強法を知りたい方は是非ごらんください。
『英語で足を引っ張りたくない』人や、『院試を英語で稼ぎたい』人まで、難易度、目標レベル別に解説しています。

さて、院試において、専門科目に自信があるならTOEIC600、英語で稼ぎたいならTOEIC800が1つの目標です(TOEFL必須の東大を除く)。
上位国立の大学院を目指す人なら、しっかり勉強すれば取れるスコアでしょう。

まれに、直前にTOEICを受けたため、願書提出にスコア提出が間に合わないというアホもいるので注意しましょう…苦笑

私はTOEICスコア800までは、公式問題集の周回+英文法の穴埋めだけで達成しています。
900超を目指すならまだしも、院試に必要なスコアを取るだけなら、特別な勉強法は不要です。

また、独自の英語試験推薦入試では、その専攻に関する英文の読解、和訳が多くなります。
専門的な英単語を覚えておきましょう。

英語論文で使う基本的な表現(英単語、熟語)を学べる本です。
ボリュームも少なく、院試レベルの小論文や英作文にはちょうど良い難易度なので、TOEICと合わせて無駄なく勉強できます。

その分野の学術論文をある程度読めれば問題ありません。普段から論文を読んでおくことは口述試験面接対策にもなります。

 

院試に落ちたら…

基本的に私立大学の院試は(本当にどうしようもない人以外)落ちません。
国立と比べて大学院への進学率が低く、大学側としてはなんとしても研究人材を確保したいからです。売り手市場ですね!
ちなみに東大農学部の大学院進学率(H27)は90%に対し、明治大学農学部では30%程度です。
修士に進んでも研究職に就ける可能性が低いのも原因ですかね。じゃあ学部で就職するわ!って感じでしょうか。

さて、上位国立では内部生もしっかり専門科目を受けるため、毎年1人〜数人院試に落ちるのが定番です。
院試に落ちた後の対応として、

  1. 冬季試験を受ける。
  2. 受験できる他大学の院試を受ける。
  3. 研究員として院試浪人し、翌年同じ大学の院試を受ける。
  4. 秋から就活する。

の4パターンがあります。

冬季試験については大学院によるので割愛します。

受験可能な他大、特にNAISTやJAIST2などの大学院大学の院試を受ける人が多いです。
これらは大学院だけの組織で、全国の大学から学生を受け入れています。募集回数も複数となっており、夏の院試に落ちた後でも出願できます。
いずれも最新の研究設備を備えており、研究環境としては素晴らしいですが、『院試に落ちた学生が行くところ』というイメージも拭えず、メーカーの研究職に就ける学生は旧帝大と比較するとかなり少ないです。気になる人は就職実績をチェックしましょう。

旧帝レベルの上位国立では、院試浪人として研究室に留まり、翌年リベンジするのが無難でしょう。
就活で突っ込まれることもあるらしいですが(友人談)、下手にレベルの落ちる大学院に進むよりは研究職としての道は十分開けます。

就活に関しては企業の2次募集枠となるので期待値は低いです。

まぁとにかく…

最初から勉強しろ

ということです!

 

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おわりに

理系の大学生にとって、院試は一大イベント。
優秀な学生が油断して足元をすくわれてしまうこともあります。

とはいえ、努力が成果に直結する良心的なテストでもあります。
厳しいことを言えば、院試の問題くらい解けないようでは研究職は厳しいと感じます。アカデミックな道に進むならなおさら。

大学院とキャリアについてよく考えて、しっかりと勉強していきましょう!

脚注

  1. いわゆる東大新領域。学歴ロンダを狙う外部生であふれているが、難易度が低いことなどは大手企業にはバレている。気になる人は就職実績をチェック!
  2. NAIST:奈良先端科学技術大学院大学、通称奈良先。JAIST:北陸先端科学技術大学院大学。通称北陸先端
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