完全食COMPの栄養成分を丸はだか!『COMPで生きる』に向けた課題とは

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完全食COMPが盛り上がっていますね!

”1杯で全ての栄養素が理想的なバランスで摂取できる”ことをコンセプトとして

『これさえ食べれば生きていけるじゃん!?』

というブランディングで人気が急上昇中です。日本版ソイレントとしても話題となりました。

体験版のトライアルパックを手に入れましたので、食レポから成分比較まで徹底的にレビューしていきましょう!
これからCOMPにチャレンジしてみようと思っている人は是非参考にして下さい!

【参考】三大栄養素 | 日本人の食事摂取基準(2015年版) | 栄養成分ナビ|グリコ完全食「COMP」は現代人の福音となるか? 開発者 鈴木優太×メディアアーティスト 落合陽一対談 | マイナビニュース、栄養表示基準について|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局など

 

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完全食COMPの風味評価

COMPのトライアルパックはこの400kcal × 3袋のセットです。約90gが入っています。
かなりカサがあり、90gでも200mLほどを占めています。

まずはお水でそのまま頂きましょう!
1袋あたり200gの水に溶かすのが最適とのこと。しっかり測ります。
ちょうど400mLのシェーカーに合う量となりました(シェーカーは自前です)

思いっきりシェイクして溶かしてみるとこんな感じ!
見た目はプロテインですね。

さっそく飲んでみます…が…

…うん。

粉っぽい

まぁ、でもこんなもんだよね…という感じ。
粉末が溶解というよりは分散している印象かなぁ。ココアみたいな。
成分的には溶解しやすいのかもしれませんが、常温で激しくシェイクしただけでは完全には溶けませんね。

舌触りや喉ごしは一般的なプロテインに近いです。
豆乳の風味が良いですが、味そのものはかなり控えめ。
正直言うと、美味しくはないですね。

まぁ溶媒が水だから美味しくないのかもしれませんが、牛乳やジュースなどを利用して飲んでいる人もいるようなので、好みに合わせていきましょう!

COMPは豆乳の風味がベースですが、根本的に味が薄いですね。
粉っぽさが目立ち、舌触り飲みやすさの評価は低いです
牛乳で溶くと少しマイルドに
なりますが、味だけ見ればプロテインの方が圧倒的に美味い。

良くも悪くも味の主張が弱いので、ジュースなどの清涼飲料水と合わせやすいと思います。
規定量だと固形分が30%近くなるので腹持ちは良いですね。
1杯でだいぶお腹に溜まりました笑

 

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完全食COMPの栄養成分解析

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元々、日本人は日本食を中心として、非常にバランスの良い食生活を送っていました。
しかし、食の欧米化や、ストレスによる過食・拒食、不規則な生活習慣など、最近は栄養バランスが崩れている人ばかり。

人間の体を作るタンパク質・脂質・炭水化物、体の調子を整えるビタミン・ミネラル、腸内環境を整え、ウンコの骨組みとなる食物繊維
バランスを考えたレシピ作りが重要です。

これらの栄養素をバランス良く含む食品はすでに発売されています。
カロリーメイトは忙しい日の朝などに便利ですし、メイバランスはドリンクタイプで、食べるのが億劫な高齢者や病人にも適しています。

ここにCOMPがどう切り込んでいくのか?成分を細かく見ていきましょう。

そもそも『完全食』とは?

人の体を作るタンパク質・脂質・炭水化物を3大栄養素と呼びます。
ここに体の調子を整えるビタミン・ミネラルを加えた5つを『栄養素』と呼ぶことが多いですが、整腸や腸管免疫に関わる食物繊維も重要な成分です。

これらの栄養素を全てバランス良く含む食品、食材は『完全食』と呼ばれます。

玄米・豆・イモ類・卵などが完全食の例として挙げられますが、玄米は炭水化物の割合が高すぎたり、逆に卵は少なかったりと、1つで全ての栄養素をバランス良く摂ることは難しいです。
牛乳の栄養バランスはかなり理想に近いですが、お腹を下しやすい人も多く、食物繊維を別で摂る必要があります。

COMPの『これ1食で生きていける』の評判はいかに…

『1日あたりの』栄養素?グラフの読み方に注意!

COMP公式サイトにCOMPの栄養価表というPDFリンクがあります。
各栄養素の含有量と、厚労省の”日本人の食事摂取基準”を基にしたグラフです。
グラフのコピーを引用するのもあまり良くないので、グラフを作り直しました。表示値、各名称はCOMP公式のデータに準拠します。

これがCOMPが提示している栄養バランスのグラフそのまま。
摂取基準値を100%とすると、ナトリウム以外全て満たしています。
(基準値が成人女性だったり成人男性だったり、男女の中間?みたいなところを取っていたりバラバラでしたが、大きな問題ではないのでスルー)

塩分だけ控えめで、かなり素晴らしい栄養バランス!

なーんて甘い!

このグラフの少しズルいところは、『1日あたりの』栄養素という表現です。
『1日あたりのCOMPの量』ってなんやねん…って話ですが、グラフの脇に書かれている”2200kcal”という値がキーワードでした。
2200kcalという値は成人が1日に必要なカロリーとほぼ同じです。

すなわち、2200kcalを全てCOMPで摂取した時の栄養素量をアピールしているわけです。

COMP2200kcal分…1袋が400kcalなので…

1日分=COMP5袋半

ということ。
1日で5袋半飲む前提かぁ…

『これさえ食べれば生きていける』

を推したいのかもしれませんが、かなりのCOMPジャンキーが基準になってしまいますね。
公式のデータ表には、1日あたり(2200kcal分)の栄養充足率に加えて、大袋(4000kcal)あたり、小袋(400kcal)あたりのデータも掲載されています。

どれくらいCOMPを食べれば各栄養素をどのくらい摂取できるのかわかるようになっていますので、興味のある方はご覧ください。

 

栄養バランスはOK!ただしCOMPでダイエット?は疑問

さて、気になった点がもう1つ。
COMPがアピールしている『栄養バランス』ですが、タンパク質、炭水化物、脂質は摂取量と含有量の比較が書かれていません。

これがCOMP(ver3.1時点)の栄養成分です。

栄養成分表示(100g)
エネルギー449kcal
たんぱく質16.4g
脂質15.4g
炭水化物61.1g
食塩相当量0.74g

とありますね。

COMPの栄養バランスグラフは、成人の活動に必要な2200kcalを全てCOMPで摂取したときを表していましたね。
ビタミン、ミネラル、食物繊維に関しては非常に良いバランスだとわかりました。

たんぱく質、脂質、炭水化物の量を換算すると…

栄養成分表示(1日分)
エネルギー2200kcal
たんぱく質80.4g322kcal
脂質75.5g680kcal
炭水化物299.4g1198kcal
食塩相当量3.63g

となります。

この値は…実は…

理想量!

良い感じですね。
脂質、炭水化物に関しては、摂取カロリーに占める割合が目標量として定められており、脂質は20〜30%炭水化物は50〜65%となっています。これはほぼ同値。
たんぱく質の目標量60gも満たしています。

油に関してはキャノーラ油(菜種油)が用いられています。*1
サラダ油などにも用いられる一般的な植物油です。
不飽和脂肪酸を一定量含み、動物性油脂と比較するとコレステロールなどの心配はありませんが、特筆すべき点はありません*2

鈴木:実は初期バージョンは腹持ちが悪かったんです。腹持ちを良くするためにいろいろと試行錯誤を重ねて現在のバージョンに仕上がったんです。それから、糖質についてもこだわりました。いろいろ調べた結果、三井製糖さんのパラチノース(R)がいいだろうということで採用したんです。

落合:パラチノースは消化吸収が遅く、体に負担をかけない糖質なんですよね。

出典:完全食「COMP」は現代人の福音となるか? 開発者 鈴木優太×メディアアーティスト 落合陽一対談(マイナビニュース)

甘味量として用いられているパラチノースは砂糖から合成されます。
ハチミツ等にも微量含まれ、甘味度は砂糖の半分ほどです。代謝が遅いことも特徴です*3

満腹感の維持や、ゆるやかな代謝により、間接的にダイエット効果があるとPRできなくもないですが…
代謝が遅いだけで全て分解・吸収されるため、カロリー自体は砂糖と同じです。

この無理矢理な表示はいらない気がw

ダイエット効果も…なくはない気がする!という無理矢理なアプローチより、栄養補助に特化させてPRしたほうが戦略的にもベターかと思います。

COMPの食物繊維の質は?

さて、COMPは食物繊維も24g/日取れるということをアピールしています。
成人の摂取目標量に近い値ですね。

食物繊維にも種類があります。

野菜などの繊維質がベースとなる不溶性食物繊維ウンコの骨となりつつ、腸内の有害成分を吸着・排出する役割を持ちます。
また、海藻などに多く含まれる水溶性食物繊維は、ウンコのカサ増しによって便通を改善しつつ、腸内細菌の栄養源として整腸に役立ちます。

COMPの成分表示を見ると、不溶性食物繊維が含まれるのは脱脂大豆、水溶性食物繊維にはアカシア食物繊維、そして乾燥酵母が用いられています。

一般的に不溶性:水溶性=2:1がベストとされていますが、COMPの食物繊維量は不溶性食物繊維12g&水溶性食物繊維12gで半々となっています。

不溶性食物繊維は野菜穀物など、一般的な食材から取りやすいものの、便のキレや便量増加に役立つ水溶性食物繊維は海藻果物などに含まれ、不足しやすい食物繊維です。
水溶性食物繊維をしっかり取れる点は高印象!

栄養バランスという点で見れば、さすがに考え抜かれているな…と感じます。

 

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おわりに:COMPの課題とは

HPもパンフレットもシンプルゆえ、よく読まないとデータの意図がわかりづらく、第一印象はあまり良くありませんでした。
完全食COMPが話題になっていたので、栄養成分を探ってみたものの、これといった穴もなく、逆に言えば、クオリティそのものをもっと深いところまでアピールした方が良いのかな…と感じました。

最後に、COMPに期待する点についてまとめて終わろうと思います。

食シーンの提案

最初に思ったのが、

『どう飲んで良いのかわからない』

ということです。

水に溶く方法は書かれていますが、これだと単純にまずいので、継続して飲みたいかというと…汗
COMPに合う飲料や、そのときの栄養バランスなどをPRしていってもらえると助かりますねー。
食シーンと一緒に商品を提案できると、一般消費者にももっと届きやすくなるのではないでしょうか。

 

『噛まない』とどう向き合うか

※2017.7〜COMPグミ登場!詳しくは文末の関連記事へ!

『COMPさえ食べれば生きていける』

に向けた大きな課題が『咀嚼』です。
ドリンクタイプゆえ、手軽に摂取できるのが最大のメリットですが、それでは不十分。

”噛まない”から”噛めない”に移行し、結果的に食生活の質が大きく下がった高齢者、病人は数え切れません。
ドリンクタイプだけで展開するなら『忙しいとき』『体調がすぐれないとき』など、限定的なシーンでの”補助食品”から抜け出せません。

”食べるCOMP”という商品展開もアリですが、BASE PASTAという競合も登場しています…!
現状はメイバランスなど、同レベルの栄養サポート食品と差別化できず、1袋300円という高価格では、広告宣伝で売れなくなったときに駆逐されます。

このあたりをどうアピールするかがCOMPの今後に関わるのではないでしょうか。

というわけで、今日はここまで!

COMPの競合製品コスパの比較は以下の記事で解説しています。
さらにCOMPを知りたい人は是非ご覧ください!

*1:バージョン履歴を参照。プロトタイプはキャノーラ油&魚油→魚油を亜麻仁油に変更→亜麻仁油削除の記載あり。油分は脂溶性ビタミンの溶解、吸収にも必須

*2:植物油は基本的にコレステロールを含まない。動物性のDHA、EPAなどの不足が気になるが、劣化しやすいため、酸化しやすい粉末食品への添加は難易度が高い

*3:砂糖より分解が遅く、血中の糖度の上昇がゆるやかになることから、満腹感の維持につながるとされており、糖尿病患者への展開も研究されている