突然ですが、僕はお酒にめちゃくちゃ弱いです。
『酒の場』は好きです。
でも酒を飲むこと自体は特に…
自宅でも1人では全く飲みません。
大学時代は体育会系のサークルに所属していたので、それこそ一気は当たり前!
コップだけじゃなく、ビールピッチャーやテキーラショットで飲まされたことも…
今思えば死んでもおかしくなかったかも!?
ビール1杯で顔真っ赤。2杯でトイレ直行。
酒とトイレを往復する大学生活でした…
(それはそれで楽しかったですが)
さて…飲みまくった大学生活のわりに、酒には全く強くならず。
三十路を越えた今でも『ビールの美味しさ』はわかりません!!(苦いだけ)
でも不思議なことが1つ。
日本酒やカクテルならそこそこ飲めるんです。
とはいえ、2時間の飲み会で3、4杯飲むともうベロベロですが…
少なくともビールみたいに1杯で吐き気がでたりはしません。
んー…こう見ると『超下戸』というのも違う気がしますね。
お酒の弱さは遺伝で決まる…
アルコールがアセトアルデヒドになって酢酸になって…
アルコール脱水素酵素の有無で…
お酒の弱さは体質の問題!?
果たして僕は本当に『下戸』なのか。
それともただのビール嫌いか…
ということで、今回は、自分の『お酒への強さ』を調べてみました!
遺伝子レベルで僕の体はどうなっているのか…
『GENOTYPIST アルコール感受性遺伝子分析キット』のレポートをごらんください。
GENOTYPIST アルコール感受性遺伝子分析キットとは?
僕が使ったのは、口腔粘液を採取して遺伝子分析を委託するサービスです。
GENOTYPIST『アルコール感受性遺伝子分析キット』
僕は公式サイトから注文しましたが、分析キットはAmazonで購入可能です。
値段は税込5,700円で同じですね!(H29.9時点)
生命科学を学んだ人間としては、Amazonで遺伝子検査が頼める時代に驚いています。
6000円弱を高いと取るか、安いと取るか…
興味本位では高いかもしれませんが、研究者目線では遺伝子解析が6,000円は『やっす』という印象です。苦笑
検査キットを購入した後、自分の細胞サンプルを採取して送付、そして結果を待つ形ですね。
こう書くと実験っぽくて難しそうですが、めちゃくちゃ簡単ですよ。
検査キットでなにを調べるの?
検査キットの使い方|キット到着からサンプル送付まで
キットを購入すると、このような封筒が届きます。
中には検査キットと説明書、返送用の封筒が入っています。
方法はカンタン!
- サンプル採取は綿棒で!開封したら先端はどこにもつけないように!
- 綿棒で頬ウラの粘膜を軽くこすってサンプル採取。傷つかないように優しくでOK!
- サンプルを取ったら密閉して返送用の封筒に
- ポストに投函して結果待ち!結果が届くまでは3週間程度
検便よりもカンタンですね(?)
細胞からDNA採取→DNA増幅→遺伝子発現解析というプロセスを取るため、少し時間がかかります。
作業そのものはシンプルなので、ポストに投函したらのんびり待ちましょう。
お酒の強さに関わる遺伝子と酵素
そもそも、この検査で何を分析するのか簡単にまとめておきましょう。
僕たちがお酒を飲んだ時、お酒の中のアルコールはこのように変化します。
アルコールの一種、エタノールがお酒の主成分。
エタノールが血中を巡ると、中枢神経に作用し、いわゆる『酔っている』状態に。
血中のアルコール濃度がさらに高くなると危険な状態になります(急性アルコール中毒)。
ほろ酔いは気持ち良いけど飲みすぎると毒になるエタノール。
血中エタノール濃度を下げてくれるのが、肝臓に存在するアルコール脱水素酵素(ADH)。
エタノールをアセトアルデヒドという物質に変換します。
ただ、このアセトアルデヒドが厄介!
アセトアルデヒドが体内に残ると、頭痛や吐き気、二日酔いの原因になります。
このアセトアルデヒドを無害な酢酸(要は”お酢”)に変換してくれるのが、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)です。
検査キットで調べるのは、
- エタノール(酔いの原因)をアセトアルデヒド(頭痛の原因)に変換するADH
- アセトアルデヒドを酢酸(無害)に変換するALDH
この2酵素の活性の強さ!
両方強ければまぎれもなく『酒に強い』わけですが果たして…
果たして筆者のアルコール感受性は!?
検査結果の到着とシートの見方
まず僕のタイプはアルコール脱水素酵素は高活性型(!?)、アルデヒド脱水素酵素は低活性型でした。
…
……アルコール分解活性強いの…!?
『超下戸』と思っていたので唖然としました。
高活性、低活性といってもその中でも差はありますが、日本人で9パターンのうち2番目に多いゾーン(24.7%)に入っています。
じゃあ飲み会でいつも俺だけ潰れるのはなんでや…?
もう少し詳しく見ていきましょう。
このように自分のタイプ、注意点、アルコール依存症や急性アルコール中毒に対する予防法が書かれています。
W型と比べ、少量の飲酒でも食道ガンの危険性が8.84倍高く…
…あなたは遺伝的には『飲酒による健康リスクが高いタイプ』です。
(゚Д゚)
酵素活性はそこそこのはずなのに、飲酒の危険リスクが高いゾーンに…
W型?R型?
次章でこの遺伝子カードが示す意味をカンタンに解説します。
酒への強さを示す『9つのタイプ』とは:アルコール『健康リスク』の分類
酒の強さは、以下のグラフのように9つのタイプに分かれます。
画像元:アルコール感受性遺伝子検査について|イービーエス株式会社
横の行がADH(アルコール脱水素酵素)の活性。
ADHの活性が低いほど、アルコール依存症になるリスクが高くなります。
縦の列がALDH(アルデヒド脱水素酵素)の活性。
ALDHの活性が高いと酒に強い大酒飲みに、低いと下戸になります。
酒への強さはALDHの活性に比例するということですね。
特にALDHには酵素がほとんど存在しない『非活性型』の人もいます。彼らはお酒を飲んではいけません。
この白、緑、オレンジ、黄色、赤の5つをもう少し詳しくまとめましょう。
ちょっと飲める僕が一番危険!? 飲める人・飲めない人の違い
まずは『白』のカードをもらった人。
ADHが低活性、ALDHが高活性のあなたです。
アルコールは抜けにくいですが、アセトアルデヒドは分解できてしまうので、とにかく『酔っている』状態が続きます。
アルコール依存症のリスクが1番高いタイプです。
『緑』のカードをもらった人は、ADH、ALDHともに高活性の人。
アルコールを酢酸まですぐ分解できるため、とにかく酒に強い!顔も赤くなりにくい!
ただ、”酒を分解できる”だけで、飲み過ぎによる健康への悪影響は変わらず。
最も飲み過ぎやすいタイプなので、依存症リスクは白についで高くなります。
『オレンジ』の人は、飲酒による健康リスクが最も高い人…!
ADH、ALDHがともに低活性のため、飲んだらすぐつぶれてしまいます。
少しは飲めてしまうため、完全下戸とも言い切れず…
飲み会で1番失敗しやすいタイプ!?
さて、次は僕ももらった『黄色』のカード!
ADHは高活性のため、アルコールは抜けやすいですが、ALDHが低活性のため、アセトアルデヒドが溜まり、頭痛など悪酔いしやすいタイプです。
…うん
俺だ!
そう、僕は酒を飲んだら一瞬で顔が赤くなるんですよね。
二日酔いはなりにくいんですが、とにかく眠く、頭が痛くなります…
飲み会の最後までテンションが持ったことがないw
オレンジほどではないですが、酒で健康被害を被りやすいので注意しないと。
赤いカードの人は、ALDHが非活性の人…
ALDの活性に関わらず『お酒を飲んではいけない完全下戸』になります。
ほとんど分解できないアセトアルデヒドが体内に長時間滞留…
急性アルコール中毒の危険が最も高い人たちです!
このタイプになった人は、お酒を勧められても絶対に断りましょう。
おわりに
こう見ると、なんとなく自分がどこに当てはまるかわかるのでは?
僕は『下戸』だと自負していましたが…
『酒に弱い』と『飲んではいけない』の違いが知れてよかったです。
僕はそもそもお酒が特に好きではないため、酒がなくても生きていけます。
飲み会も激しくない会社にいますしね。
このアルコール感受性遺伝子分析はお酒を好きな人、お酒と付き合っていきたい人ほど、受けるべき検査だと感じました。
自分はどう飲めば良いのか、どう飲むとリスクが高いのか…
お酒と生きていくからこそ、知っておくべき情報ですよね。
お酒好きの方、自分のキャパが”遺伝子レベル”で知りたい方は是非1度チャレンジしてみてください。
それでは。